スゥー

 早いもので10月も終わりですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、これまで先生のご指導される内容をひた隠しにしていたこのブログですが、今回からさらりと解禁します。楽しい雰囲気で裾野を広げたところで、それで入ってきた人は続かないという結論になりました。「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」(サン=テグジュペリ『星の王子様』より)というわけで、暗号やこりん星はもうおしまい!これまでお付き合いいただいた皆様へ感謝のきもちを込めてお届けいたします。

10月26日の稽古内容 ご指導:吉田師範 響き

横面打ち 隅落とし(前に出る/内転換)、入り身投げ、諸手持ち 一教、二教からの小手返し、天地投げ など

通す、流すために動きを「ス」の音の響きで表す。相手の攻撃に対してガッといかない。正中線を通る。正眼からスゥーと斬り下ろす。腰骨を通ってスゥーと通す。ンッと衝突せずに、スゥーと通す。「ス」母音が「ウ」の音は下方向。「ア」は上方向(天業)になる。

このようなスゥーと通る感覚の方が体に残りにくい。ンッと当たる方へすぐ戻ってしまう。それを、こんなに稽古しているのに…とショックを受けるかもしれないが、そういうものかと受け入れる。型や動きは出来るけれど、身についていない状態だからこそ稽古に来ている。知覚は錯覚する。身につけるために鎧を取っていく。新しい事を覚えるというよりは、今までやっている事を弱めていくイメージ。出来ないと思って鍛えたりしても余計変になる。

コロナで稽古に来られない人が半年振りに来たとする。「老けたな」と思われるか「変わらないな」と思われるか、それとも「益々凄いな」と思われるか。身につけるには、質を変えること。その為には道場に来て稽古しないといけない。

見取り稽古は部分ではなく全体を見る。力量に応じて部分も見えてくる。

本当に大事なことは教科書には載っていない。言葉で言い表せない、目に見えないもの。心の目で見る(観の目)遠山の目付。   以上。

➡合気ガールより:皆様はどのように感じられたでしょうか。「ス」を教えて頂けるなんて有り難いですよね。私は『自転車乗りたい』と思っていますが、先生や皆様のご協力を得てぶつからない方の感覚をコツコツ50回100回積み上げて鎧をとるお稽古をしていても、ンッとかガッとか数回するだけでより強固な鎧を纏っている体たらくです。いつどこで誰としても、先生の監督がないときでも、常に自分が鎧をとろうという姿勢でいなければ、ンッという呪いが鎧となって自らにかえってくるのですね。そしてそれをまたスの方へ戻すのに有限である時間を使うわけです。全て自分次第と言いましょうか、武道は厳しい道ですね。

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